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「自立」するということ~障がい者雇用担当者の奮闘~

2023年12月時点、ティアにはハンディキャップのある従業員が14名在籍し、うち9名がワークサポート課に所属しています。ティアの障がい者雇用では、各部署に配置され他の従業員と共に仕事をする方法と、このワークサポート課という一つの部署に集約しグループで働くという2つの方法を取っています。

そのワークサポート課を、まるで「おかん」のように取り仕切っているのが今回話を聞かせていただいた水野さん。小柄でほっそりした外見からは想像できないほどパワフル、かつ、愛情深い水野さんと人を育てることを中心に脱線交じりの(笑)熱く楽しいトークを繰り広げました。

ーワークサポート課で行っている業務について教えてください。

現場のサポートが多いです。お客様にお渡しする様々な資料の準備や、会館の草むしりなどの外作業など幅広く対応しています。社内でもワークサポート課の存在が認知されるようになり、色んな業務の依頼をいただくようになったので、それぞれの業務にどう優先順位を付けながら対応していくかが今の課題です。

ーハンディキャップのある従業員を育てることで一番大事だと思っていることは?

スタッフが「自立」をすることです。一口に「自立」と言っても様々ですが、経済的にも自立していくことが何より重要です。そのためには仕事を続けていくことが第一で、そのベースにあるのは健康管理をきちんと自分で行うことかなと思っています。また、心の状態も含めて不健康な状態で来るとマイナスの影響が必ず仕事に出てきてしまい、普段やらないようなミスにつながることもあります。そういう点からも、月1回の個人面談を行ったり、各スタッフの表情などに目配りをしたりして声をかけるようにしています。

ー指導をする上で心がけていることは?

ミスが発生した時に、自分が間違えたところを書き出し、その原因と対策を考えてもらうようにしています。そうすることで、自分がどんな場面でミスを発生させやすいのかを客観的に把握することができ、同じようなミスが起こりにくくなるのではないかと思っています。また、それぞれの個性を認めて、強みを持たせるように指導するのも大事だなと思います。障がいの内容によっては、周囲と比べすぎてしまうスタッフもいるので、自分で自分を受け入れて自信を持てるよう促しています。あと、今ワークサポート課にいるメンバーは若い人が多いので、その世代感覚とずれないように若い世代の価値観や考え方に触れていくように気を付けていますね(笑)。

ー今までで忘れられないエピソードを教えてください。

リーダー格として中心的に仕事をしてくれていたスタッフAが体調を崩し、精神的にも落ち込んでしまったことがあります。勤務時間が短くなり休みも増える中でティアで仕事を続けていくことに不安を感じ、辞めることも考えるようになりました。ただ、転職して新たな環境でまたゼロからスタートするのは大変なことです。また、私たち指導員としても一緒に仕事を続けたいと考えており、『すぐに辞めなくても、新しい職場が見つかってからでいいのでは?』と声をかけながら見守っていました。そのスタッフはカウンセリング治療などを経て仕事に復帰できるようになり、今では以前と変わらず仕事ができるようになりました。そんな中、先日、別のスタッフBが退職することになりました。様々な要因がありますが、一緒に働いてきたスタッフが退職をすると私たち指導員もスタッフも『自分たちが何かいけなかったんだろうか』と思ってしまい、職場全体にも動揺が見られました。そのような空気を感じ、ワークサポート課のメンバーと指導員の全員で話し合いの場を持ちました。その中で、かつてティアを離れることを考えていたスタッフAが、『色々なことを乗り越えながら、自分はここで働き続けて良かったと思う。』と話してくれました。さらに、指導が厳しかったのかと思えてしまう我々指導員に対しリーダーとしての立場から理解を示してくれました。その時、それぞれのスタッフが成長していることを心底実感できたのです。今、共に働くスタッフのためにも、未来入ってくるスタッフのためにもさらに成長できる道筋を作りたいと思う機会にもなりました。

ー今後思い描いていることは?

先ほどの話にも通ずるところがありますが、ワークサポート課のスタッフから正社員としてワークサポート課以外の部署で働くスタッフを育てること! スタッフそれぞれの成長に合わせ、どうステップアップさせていくかを考えています。個人的には、本社内の部署であれば何かあったら飛んで行けるのでワークサポート課を出たスタッフを見守りながら実現させたいなと願っています。


<インタビューを終えて>

人を育てることにおいて大切なことはハンディキャップがあろうとなかろうと変わらないのだと思いました。さらに言えば、対談の途中に水野さんの発した「人なんてみんな白か黒に分かれるものじゃない、みんなどこかしら何かあるものだよね。」という一言は本当にその通りです。それぞれ個性を持つ人々をどう活かしていけるのかは働き手がどんどん減っていく日本社会の中でますます重要になってきます。何をもって公平というのか、平等ってどういう状態なんだろう? そんなことを話した1時間でした。自分の持ち味を活かしながら、ティアで働くすべての人にとって居場所のある職場であるためにやるべきことはまだありそうです。

★ティア公式YouTubeでもワークサポート課について取り上げています。ワークサポート課のメンバーへのインタビューはこちらから!