COLUMN
「葬儀はこうあるべき」という固定観念にとらわれず、「故人様らしさ」を大切にしたい。そんなご遺族の想いから、近年ではオリジナリティあふれる葬儀が増えています。今回は、実際のエピソードをもとに、形式にとらわれない「想い」を形にする葬儀のあり方についてご紹介します。
かつての厳粛な葬儀のイメージとは異なり、故人様の趣味や人柄を祭壇や演出に反映させるケースが増えています。
あるとき、「野球のグラウンドの祭壇を作って夫に見せてあげたい」というご依頼がありました。前例のないことに戸惑いもありましたが、スタッフで知恵を出し合い、故人様とご遺族の願いを形にすることができました。また、音楽好きだった故人様のために、お通夜の後にミニライブを提案させていただいたこともあります。
こうした「その人らしい」演出は、悲しみの中にあるご遺族にとって、故人様との楽しかった思い出を振り返る大切な時間となります。プランナーにとっても、マニュアルにはないクリエイティブな発想と提案力が求められる場面です。
大規模な葬儀だけでなく、ごく親しい身内だけで行う温かなお別れも増えています。
例えば、100歳のお母様を、長男様と長女様のお二人だけで見送られたケースがありました。参列者が少ないからこそ、周囲に気兼ねすることなく、ゆっくりと故人様に寄り添い、感謝を伝える濃密な時間を過ごすことができたといいます。また、お孫様が喪主を務め、世代を超えて「命のバトン」を受け継ぐ姿に立ち会うこともあります。
規模の大小に関わらず、大切なのは「誰のために、どのような想いで送るのか」という点です。ご遺族の心の奥にある想いを汲み取り、後悔のないお別れをサポートすることが、私たちプランナーの使命です。
今回ご紹介したエピソードのように、葬儀の形は十人十色です。「野球のグラウンド」や「ミニライブ」といった自由な発想も、「家族だけの静かな時間」も、すべては故人様への愛と感謝の表れです。
形式にとらわれず、ご遺族の「想い」を第一に考え、世界に一つだけのお別れを創り上げること。それが、多様化する現代において最も大切にされるべき葬儀のあり方です。
