COLUMN
葬儀の仕事は、専門的な知識や作法が必要で、ハードルが高いと感じられるかもしれません。しかし実際には、多くの方が未経験からキャリアをスタートさせています。葬儀の現場では、まったく異なる業種で培ったスキルが、ご遺族の心を支える大きな力になることが多々あります。今回は、異業種での経験がどのように葬儀の現場で活かされるのかをご紹介します。
接客・販売の経験で磨かれるのは、相手が迷いやすい点を先回りして拾い、要点を短く整理して伝える力です。葬祭プランナーの打ち合わせでは決める確認事項が多く、ご遺族が情報量に圧倒される場面もあります。そんなときに「今決めること/後でよいこと」を切り分けて説明するだけでも、ご遺族の負担を大きく減らせます。
また、会場での案内では、立ち位置や声量、視線配りといった所作が参列者の安心につながります。受付や誘導など接遇を担う場面も多いため、接客経験はそのまま強みとして活かしやすい領域です。
保育・介護で身につく観察力は、言葉より先に相手の様子を読み取り、声かけの量や内容、タイミングを調整する力です。葬儀の場では、突然涙があふれるなど感情の揺れが起こりやすく、励ましの言葉がかえって負担になることもあります。
そこで役立つのが、傾聴(話を遮らず受け止めること)と、踏み込みすぎない配慮です。必要な確認は短く区切り、沈黙も大切にする姿勢が、打ち合わせや当日の進行において信頼につながります。
事務の正確性やPCスキル、営業のコミュニケーション力は、現場では「説明力・提案力」「資料作成の速さ」「細かな処理の確実さ」といった形で発揮されます。特に、ご遺族との打ち合わせをスムーズに進めるには、決定事項を整理し、わかりやすく共有する段取りが欠かせません。
さらに、寺院や火葬場など外部との連絡・調整が発生するため、相手の事情を汲み取りながら予定や条件をすり合わせる力も大きな武器になります。
異業種からの転職であっても、葬祭プランナーは前職の経験やスキルが「実は活きる」仕事です。あなたのこれまでの経験は、ご遺族の心を支え、感謝される仕事をするための大切な財産です。「人の役に立ちたい」という想いがあれば、未経験からでも自信を持って挑戦できる仕事です。
