COLUMN
近年、葬儀の形式は多様化しており、「家族葬」「一般葬」「直葬(火葬式)」など、さまざまな形が選ばれるようになっています。
今回は、それぞれの葬儀の特徴と、式場の違いについて分かりやすくご紹介します。
家族葬は、遺族とごく親しい方のみで行う小規模な葬儀です。静かな環境で、故人様との最後の時間をゆっくりと過ごしたい方に向いています。通夜・葬儀・告別式といった一般的な流れは踏襲しながらも、参列者を限定することで、挨拶や案内などの負担を軽減できるのが特徴です。
ただし、葬儀の後に訃報を知った知人からの弔問や連絡を受けることもあります。あらかじめ周囲にどう伝えるか、また弔問をどう受けるかといった対応方針を決めておくと安心です。
会場の規模は小さめになるため、動線や控室の使い方も、少人数を前提に計画します。
一般葬は、親族に加え、友人や職場・地域の関係者など、多くの参列者を迎える形式です。通夜から告別式までを正式に執り行うため、社会的なつながりを重視したい場合に適しています。
規模が大きくなる分、受付や返礼品の準備、参列者の誘導、焼香の案内、音響や照明の調整など、運営には細かな配慮が必要になります。スタッフの役割分担も重要で、開式前の席案内や交通案内、駐車場の整理など、さまざまな要素がスムーズな進行を支えます。
直葬(火葬式)は、通夜や葬儀の儀式を行わず、火葬のみで故人様を見送る形式です。費用や準備の負担を抑えたい方や、宗教儀礼を簡略化したい場合によく選ばれます。
ご安置から納棺、出棺、火葬、収骨までを短時間で進行するため、案内や声がけのタイミングが非常に大切です。最期のお別れの場面も限られるため、対面の時間や棺に花を手向ける場面、写真撮影のタイミングなど、事前に細かく準備しておく必要があります。また、式としての要素が少ない分、後日「お別れ会」や「偲ぶ会」を開くことで、関係者と気持ちを共有する場を設けるケースも増えています。
葬儀を行う式場には、葬儀会館、寺院、自宅といった選択肢があります。葬儀会館は設備が整っており、幅広く対応できる汎用性の高い会場です。寺院での葬儀は落ち着きがあり、ご本尊の前で儀式を行える利点がありますが、日程の調整や会場使用に制限がある場合も。自宅葬の件数は少なくなっているものの、少人数での家族葬や直葬では選ばれることもあります。
いずれの式場を選ぶ場合も、宗派への対応や設備の有無、収容人数などに違いがあるため、希望する葬儀形式に合っているかどうかを事前に確認しておくことが大切です。
家族葬・一般葬・直葬、どの形式を選ぶかは、故人様やご遺族の希望、参列者の範囲、地域の慣習によって異なります。式場の選び方も含め、基本を押さえておくことで、準備や進行がスムーズになり、安心してお別れの時間を迎えることができます。
