COLUMN
「少子高齢化が進む日本で、葬儀業界はこれからどうなるの?」「AI化が進む中で、葬祭プランナーの仕事はなくならない?」キャリアを考えるうえで、業界の将来性は誰もが気になるところです。
今回は、社会の変化に伴う葬儀スタイルの多様化や、AI時代における「人」の役割に焦点を当て、葬祭プランナーの将来性について解説します。
かつて主流だった大規模な一般葬に代わり、現在は「家族葬」がスタンダードになりつつあります。核家族化や地域コミュニティの変化、高齢化などを背景に、「親しい人たちだけで、ゆっくりお別れしたい」というニーズが増えているためです。
では、規模が小さくなることで仕事が減るのかというと、そうではありません。むしろ、形式にとらわれない自由な葬儀が可能になったことで、プランナーにはより高い「提案力」が求められるようになっています。
マニュアル通りに進めるのではなく、「その人らしい送り方」を企画する力が必要です。たとえば、故人様との思い出を楽しめるようなスペースを設置するなど、クリエイティブな発想でご遺族の想いを形にする。こうした提案が、これからのプランナーには欠かせません。
「もしもの時」に備えて、元気なうちに葬儀の内容や費用を相談する「事前相談」のニーズも急増しています。自分らしい最期をデザインしたいという終活への関心が高まり、残される家族の負担を減らすために、事前に準備をしておく人が増えているからです。
これからの葬祭プランナーは、ご逝去後の対応だけでなく、生前の段階からお客様の不安を「安心」に変え、信頼関係を築く役割を担います。人生観に深く寄り添い、長期的なパートナーとして支える姿勢が、より一層求められていくでしょう。
デジタル技術の進歩により、事務手続きや単純な見積もり作成などは、AIやシステムに置き換わっていくはずです。しかし、だからこそ「人にしかできない仕事」の価値が際立ちます。
ご遺族は深い悲しみや混乱の中にいます。言葉にならない感情を汲み取り、複雑な家族関係に配慮し、ときには沈黙の間にある意味さえ受け止めながら寄り添うことは、AIにはできません。
「なぜ葬儀を行うのか」「誰のために送るのか」といった本質的な問いに向き合い、心と心をつなぐ役割は、テクノロジーが進化しても代替できない領域です。こうした人間力こそが、将来性の高いスキルだと言えます。
社会の変化とともに、葬儀は「形式」よりも「想い」を重視するものへとシフトしています。それに伴い、葬祭プランナーの役割も、単なる式の進行役から、人生の物語を形にするプロフェッショナルへと進化しています。
高齢化社会において需要が安定しているだけでなく、ご遺族の心に深く寄り添うこの仕事は、AI時代においても決してなくならない、確かな将来性のあるキャリアです。
