参列の流れ

「ご参列の方」

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参列者が知っておきたい葬儀でのマナーとは

葬儀とは、一般的に2日間に渡って行われるお別れの儀式のこと。通常1日目はお通夜、2日目は葬儀・告別式が開かれ、親しかった人たちが故人に最後の挨拶に訪れます。
亡くなった方やご遺族にきちんと哀悼の意を表すためにも、葬儀に関するマナーを押さえておきましょう。

1. 参列の流れ

受付

受付の方法

関係者別に受付の窓口を分けている場合は、ご自分の関係の列を間違えないように並びます。このとき、バッグからふくさに包んだ香典を出して手に持っておきましょう。香典袋をむき出しにして持つのはマナー違反です。ご自分の番になったら、ここで初めてふくさを開き、香典袋を取り出し、両手で受付係に手渡します。「この度はご愁傷様でございます」など、簡潔にお悔やみを述べ、芳名帳に記帳します。
お通夜・告別式ともに参列し、すでに香典を渡した場合や、お通夜に駆けつけて香典の用意ができておらず、翌日の告別式にお渡しする場合など、香典を持っていないときは記帳のみで大丈夫です。
そもそも葬儀の受付は香典の受け渡しの意味よりも、参列したことを記すためのものです。受付には「香典は告別式にお持ちします」や、「昨日も参列いたしました」などとお伝えすれば良いでしょう。
他の方の香典も預かっている場合は、受付で人数分の香典を手渡したあと、ご自分の名前の他に預かってきた人の名前をそれぞれ記帳します。
ご自分には面識がなく、純粋に代理として参列する場合は、芳名帳に代理人の名前は書きません。代理で持参したことを示すために、来られなかった方の名前の下に「代理」(妻の場合は「内」)と書き、その下にご自分の名前を小さく記しておきます。
仕事関係や会社の代理で参列する場合は、名刺を差し出します。その後、返礼品(御礼品)を受け取り、ご焼香の順番まで待機します。
開式10分前には受付を済ませるようにしましょう。

お通夜でのマナー

受付では、お悔やみを述べ、香典を手渡し、記帳をします。

お通夜・ご焼香・通夜振る舞い

お通夜は宗教者の読経で始まります。ご焼香の際には前の人に続いて、あまり間隔を開けないように静かにご焼香を済ませましょう。丁寧に拝礼し、ご遺族へ挨拶する機会があれば「このたびはご愁傷様でございます」と心を込めてお辞儀をすれば、さらに言葉を述べる必要はありません。ご焼香終了後は、係の指示に従います。

下の表は各宗旨各宗派別のご焼香回数の参考例になります。

仏式焼香の作法
宗派 ご焼香回数
日蓮宗 押しいただいて1回または3回
浄土宗 押しいただいて1回〜3回
真言宗 押しいただいて3回
日蓮正宗 押しいただいて3回
臨済宗 押しいただいて1回
曹洞宗 2回(1回目は押しいただく、2回目は押しいただかない)
天台宗 回数を特に定めていない
浄土真宗 本願寺派 1回 押しいただかない
真宗大谷派 2回
真宗高田派 3回
  • 押しいただくとは・・・つまんだ抹香(まっこう)を額の高さまで掲げること。
  • 但し、会葬者が多い場合や、場所の都合により回数が異なる場合があります。各宗教者様により作法の異なる場合があります。心のこもったご焼香をすることが大切です。

通夜振る舞いは、弔問に対するお礼とお清めの意味で行われ、お通夜の読経終了後に参列者に対してお酒や料理などを振る舞います(地域によって異なり、お茶とお饅頭を振る舞うところもあります)。
故人の供養にもなるので、勧められたら同席します。ただし、ご遺族は心労・疲労が重なっているので長居はせず、「本日はこれで失礼します」と挨拶をして退出します。お開きの挨拶があれば、それに従います。

故人との対面の作法

  1. 故人から一歩下がった位置で、故人に対して一礼します。
  2. 故人の傍へ寄って、手を合わせます。
  3. 故人のお顔を覆っている白布を、ご遺族があげてくださいますので、故人のお顔を拝して対面します。
  4. 手を合わせ、故人の冥福を祈ります。
  5. 故人から、一歩下がります。
  6. ご遺族に一礼して、退席します。

故人との対面においては、対面を勧められた場の状況というものもありますから、厳格にこの作法を守らねばならない、というわけではありません。
大切なのは、”ご遺族に対するお悔やみの気持ち”と、”故人の冥福を祈る気持ち”です。故人との対面は、ご遺族から勧められた場合だけにしましょう。また、涙はできれば見せないようにしましょう。
対面したくない場合は「お会いするのはつらすぎますので」「取り乱しては申しわけないので」と断わります。

葬儀・告別式のマナー

式場で

受付でお悔やみを述べて香典を手渡し、記帳をしたあと返礼品(御礼品)を受け取り、ご焼香の順番まで待機します。お通夜で香典を渡している場合は、「昨夜も参りました」とお伝えし、記帳だけ行います。式場では、ご遺族のところへ行って挨拶するのは控えます。ご焼香でご遺族と向かい合ったときも黙礼するか、お悔やみの言葉を簡単に述べるだけにしましょう。参列者同士の挨拶も黙礼程度にし、必要なら式後に挨拶します。

ご焼香

参列者が多い場合はご焼香の長い列ができます。前の人が終わったら進み出て心を込めてご焼香し、故人の冥福を祈ります。ご焼香の際、バッグは小わきに挟むか人に預けるようにしましょう。

出棺

告別式が終わると、お柩のふたがあけられて最後のお別れとなります。お別れの儀式のあと、ご親族や近親者の男性によってお柩がご移動され、霊柩車へ乗せられます。出棺は、一般参列者が故人を見送る最後の場です。急用でもない限り帰らずに、このときまで待って見送るのが礼儀です。寒い日の屋外で出棺を待つ間は、コートなどは着ていてもかまいませんが、喪家側の挨拶のときには脱ぎ、霊柩車が走り出す直前に丁寧に頭を下げ、合掌して冥福を祈ります。

火葬とお清め

特に親しかった友人・知人は、ご遺族に勧められ、火葬に立ち会うこともあります。その場合は、指定された車に乗り火葬場に向かいます。火葬場では、お柩を火葬炉前に安置すると宗教者が読経・ご焼香を行い、そのあとにご親族がご焼香してお柩を炉に納めます。火葬終了後はふたり一組で骨を拾い、骨壷に納めます。火葬場から帰ったら、塩を振ってもらってお清めをします(宗旨宗派や地域により異なります)。

精進落し料理(初七日料理)

遺骨が戻り、遺骨回向、初七日の法要が終わると、ご遺族側で精進落しの宴席を設けます。
精進落しの席では、ご遺族から参列者に慰労と感謝の気持ちを込めて、お酒と料理が振る舞われます。ご遺族の心労を考えて、あまり長居はしないようにします。

2. 気をつけたいNGマナー

参列時のNG

遅刻する

開始時間の案内通りに到着するようにしましょう。読経の最中に着席するのはできるだけ避けてください。
もし、やむを得ない事情で遅れてしまったときは、お詫びを述べ、ご焼香をさせてもらいましょう。
すでに受付に人がいなくなってしまった場合は、香典を直接ご遺族に手渡すか、拝礼の後、霊前に向けて供えます。

香典に新札を包む

結婚式では新札を使用しますが、葬儀では逆に失礼とされています。古くからの考え方で、新札を使うということは「前もって死を予期して用意していた」とされますので、注意しましょう。しかし、あまり汚い紙幣では、かえって失礼になります。もし新札を使用する場合は、折り目をつけてお包みします。

ご遺族と長話をする

葬儀では、親しい間柄でない限りはご遺族に挨拶するのは控えます。
あなたが参列したということが、弔意を表したということになります。
ご遺族と親しかった場合でも、長話をするのは控えましょう。お悔やみの言葉は手短に述べるのが基本です。

ご遺族へ亡くなられた経緯を聞く

これは、最も配慮に欠ける行動です。くれぐれも悲しみを増長させるような言動は控えましょう。

参列の際、知り合いを見つけて話しかける

お知り合いに会ったからといって、仕事の話や近況など、世間話をするのはマナー違反です。 ご遺族への最低限のマナーとして、私語は葬儀会場を出てからにしましょう。

通夜振る舞いを遠慮する

通夜振る舞いには、故人への供養の意味があります。
通夜振る舞いへ促されたら、箸を付けるだけでも構いませんので、お断りしないようにしましょう。
ただし、ご遺族は心労・疲労が重なっていますので、長居は禁物です。

小さなお子さんを連れて行く

静かにしていられる年齢であれば構いませんが、ぐずりやすい年頃の小さなお子さんは、近しい親戚でない限り、通常は同席させません。

キリスト式の葬儀で、お悔やみを述べる

キリスト教の場合、天に召されるという考え方ですので、お悔やみという考え方はしません。「ご愁傷様です」や「心よりお悔やみ申し上げます」という言葉は使わずに、「安らかなお眠りをお祈り申し上げます」という言い方が一般的です。