法要について

「法事・法要」

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法要とは
種類や時期、法事との違いについて解説

法要とは遺族皆で故人の往生を願い、僧侶に読経をあげてもらい一緒に祈る事を指します。法事と似た言葉ですが、意味は異なります。法要は弔い上げをするまで続く宗教的な行事です。ここでは、法要の内容や意味、種類などを紹介します。

1. 法要とは?

法要とは、僧侶に読経をあげてもらい故人の冥福を祈る宗教的儀式のことです。
法要のことを「追善供養(ついぜんくよう)」ともよびます。法要では、遺族が故人のために祈り善行を積むことで、故人が極楽浄土へ往生できるようにすると言われています。ただし、宗派により意味合いが一部異なります。

法要の意味

法要は、遺族が故人を応援し励ますという意味があります。昔の法要は、僧侶の読経や説法を聞く仏教の布教活動の意味もあったそうです。仏教では、亡くなった人は七日ごとに7回、そして百ヵ日、一周忌、三回忌に十王の審判を受けます。

法要を行うようになった歴史的な背景

法要の、七日ごとに審判を受けるという考え方はインド仏教から来ています。日本では、10世紀に恵心僧都源信(えしんそうずげんしん)が「往生要集(おうじょうようしゅう)」を執筆し、地獄や極楽の考え方が一般的になりました。法要を行い極楽浄土の様子を人々に伝えたのも、恵心僧都源信が始めとされています。故人が受ける厳しい審判を応援し、極楽浄土へ行けるよう遺族が祈るのが法要なのです。法要では読経のあとに僧侶による説法がありますが、これも昔は布教活動の一環だった名残といえるでしょう。

2. 法要と法事の違いは?

法要とその後の会食までを法事といいます。法要はいくつもあり、その中で遺族や親族が集まって会食まで行う法事は数回です。

3. 法要の種類

法要には日数で数える「忌日法要」と年で数える「年忌法要」があります。

忌日法要の種類

忌日法要の種類

忌日法要の意味合いは諸説あります

初七日(しょなのか)

四十九日までを中陰(ちゅういん)と呼び、七日ごとに審判があります。中陰とは、死有(しう)生有(しょうう)の中間の、生まれ変わる前の状態を指します。泰広王(しんこうおう)は不動明王の化身で、生前の殺生について調べ審判します。この日は、親族や知人を招き、法要と会食(精進落とし)で初七日を過ごしましょう。最近では、「繰り上げ初七日」「繰り込み初七日」といい、葬儀当日に行われるケースが増えているようです。

二七日(ふたなのか)

初江王(しょこうおう)は釈迦如来の化身で、生前の盗みについて調べ審判します。生前に故人が出会った動物が呼ばれ、故人に対し証言します。最近では、二七日から六七日までの法要は、ほとんど行われなくなりました。家族のみで供物をささげ、念仏を唱えて供養しましょう。

三七日(みなのか)

三七日を洒水忌(しゅすいき)ともいい、故人と親しくしていた者が集まり偲ぶ日です。この日は、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の化身である宋帝王(そうていおう)が、生前の不貞について調べ審判します。

四七日(よなのか・よつなのか)

五官王(ごかんおう)普賢菩薩(ふげんぼさつ)の化身で、生前の嘘について調べ審判します。

五七日(いつなぬか)

五七日は小練忌(しょうれんき)ともいいます。閻魔大王が、水晶で作られた浄玻璃の鏡(じょうはりのかがみ)に映し出されたその人の人生を調べ審判します。

六七日(むなぬか)

変成王(へんじょうおう)は弥勒菩薩の化身であり、故人がどこで生まれ変わるか審判します。

七七日(なななのか・しちしちひ)または四十九日

泰山王(たいざんおう)は薬師如来の化身で、故人の生まれ変わり先を審判します。生まれ変わりは、6つの世界(天上・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄)の中から決定されます。成仏できるか決まる重要な日で忌明けにあたります。親族が集まり僧侶による読経と説法を聞き、法事を営みます。

百ヵ日(ひゃっかにち)

平等王(びょうどうおう)は観世音菩薩の化身です。百ヵ日は「卒哭忌(そっこくき)」ともいい、「卒」は卒業すること、「哭」は嘆き悲しむことを意味します。百ヵ日をひとつの区切りとして、納骨式を執り行うケースも多いようです。親族を招いて僧侶の読経をあげてもらいましょう。法要のあとは会食の席を設け、和やかに故人を偲びます。

年忌法要の種類

年忌法要の種類

年忌法要の意味合いは諸説あります

一周忌(いっしゅうき)

故人は勢至菩薩(せいしぼさつ)の化身である都市王(としおう)に出会います。一周忌は親族だけでなく友人・知人を招いて行われることもあります。

三回忌(さんかいき)

五道転輪王(ごどうてんりんおう)は阿弥陀如来の化身です。
亡くなって満二年の三回忌を、友人・知人を招く法事の最後にすることが一般的です。

七回忌(しちかいき)

蓮華王(れんげおう)は阿しゅく如来の化身です。
七回忌以降は、中国伝来の供養に日本が付け足した部分になり、仏教において六道を乗り越えた先の七は大切な数字です。

十三回忌(じゅうさんかいき)

抜苦王(ばっくおう)は大日如来の化身です。
亡くなって12年目の命日に、故人が大日如来と一つになる大切な日です。

十七回忌(じゅうななかいき)

16世紀に日本で加わった年忌で、慈明忌(じみょうき)ともいいます。

二十三回忌(にじゅうさんかいき)

江戸時代になって行われるようになった法要で思実忌(しじつき)とも呼びます。

二十五回忌(にじゅうごかいき)

その昔、二十五回忌を最後の法要としていた時代がありました。
永光忌(えいごうき)ともいい、仏様の光が永遠に輝くよう祈る法要です。

二十七回忌(にじゅうななかいき)

二十七回忌だけではありませんが、命日が近いほかの仏様の法要をまとめて行うことがあります。
併修(へいしゅう)」といい、親族の中で法要をまとめると親族の負担を減らせます。

三十三回忌(さんじゅうさんかいき)

慈恩王(じおんおう)虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)の化身で、十三王最後の王となります。
三十三回忌の法要を最後としている寺院も少なくありません。
死者の霊は33年で浄化され祖先神になるとする「弔い上げ」の影響です。
弔い上げでは、本位牌を繰り出し位牌(回出位牌)に組み入れたり、「〇〇家先祖の霊」の枝位牌でまとめることもあります。

三十七回忌(さんじゅうしちかいき)

このあと四十三回忌、四十七回忌もありますが、法要を行わないことが多くなります。

五十回忌(ごじゅっかいき)

三十三回忌を最後の法要としない場合は、五十回忌が最後になる場合が多いようです。

4. 法要を行う時期|いつまで法要を行う?

ここでは、法要を行う時期について解説します。

忌日法要

忌日法要は、亡くなった日を1日目として数え、四十九日まで七日ごとに続き百ヵ日法要を迎えて終わります。
また、故人が亡くなって初めてのお盆を「新盆」と呼び、法事を営むのが一般的です。

忌日法要 法要を行う時期
(亡くなった日も含む)
法要の内容
初七日法要 7日目 葬儀の当日に行われることがほとんど
二七日法要 14日目 法要は行わず家族だけでお供え物をあげ供養する遺族が多くなる
三七日法要 21日目
四七日法要 28日目
五七日法要 35日目
六七日法要 42日目
七七日法要
四十九日法要
49日目 葬儀と同じ参列者を招くのが通例ですが、最近では遺族と親族で集まる事が多い
百ヵ日法要
四十九日法要
100日目 法要は行わず家族だけで供養することがほとんど

年忌法要

年忌法要は「弔い上げ」をしない限り永遠に続いて行きます。
弔い上げとは、「上げ法要」ともいい、その法要をもって最後の法要とすることです。
三十三回忌か五十回忌に行うのが一般的ですが、十七回忌に弔い上げするケースも見られます。

忌日法要 法要を行う時期
(亡くなった日も含む)
法要の内容
一周忌法要 1年後 遺族と親族、友人、知人が集まり法事を営む場合が多い
三回忌法要 2年後
七回忌法要 6年後 遺族と親族が集まり法事を営む場合が多い
十三回忌法要 12年後
十七回忌法要 16年後
二十三回忌法要 22年後
二十五回忌法要 24年後
二十七回忌法要 26年後
三十三回忌法要 32年後 弔い上げも行う場合、遺族・親族が集まり法事を営む
三十七回忌法要 26年後 省略される場合がほとんど
四十三回忌法要 42年後
四十七回忌法要 46年後
五十回忌法要 49年後 弔い上げも行う場合、遺族・親族が集まり法事を営む

納骨先が永代供養付きの墓や納骨堂の場合、弔い上げは契約期間に関係しています。
十七回忌、三十三回忌、五十回忌のいずれかを契約期間とするのが一般的です。

5. 法要を知って先祖を敬う心を養いましょう

ここで紹介したさまざまな法要は、すべて故人を悼み先祖に感謝し、自分を再確認するという大切な意味が込められています。少子高齢化の影響は法要の省略や簡略化に繋がり、現代では忘れられた法要も少なくありません。家族の間だけでも故人へ思いを込めて法要を営みたいものです。

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