法事・法要の準備

「法事・法要」

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1. 菩提寺のご住職と相談して日時を決める

通常、日取りは皆が集まりやすい忌日や祥月命日の直前の週末に行われます。浄土真宗以外では「 卒塔婆供養 そとうばくよう ※」を行うこともありますので、ご住職に確認しましょう。

卒塔婆供養そとうばくよう

年忌法要の時、施主や参列者がお墓に卒塔婆そとうばを立てることがあります。これを「卒塔婆供養」といいます。卒塔婆は梵語ぼんごで塔を意味します。弟子がお釈迦さまの遺骨を分骨して、塔を建てて供養したと伝えられ、それがのちに五輪塔になり、五輪塔を簡略化し側面に5つの刻みを入れた卒塔婆になったとされています。五輪とは、仏教の宇宙観の五大要素「空風火水地」を示しており、卒塔婆供養を行うことは、故人が自然界の宇宙と同化し、仏に成ることを意味しています。 故人の追善供養のための卒塔婆は、ご住職にお経をあげていただき、お墓の後ろの塔婆立てに立てます。卒塔婆には、故人の戒名や供養の年月日、施主の名前などを書きますので、あらかじめご住職に依頼しておくことが必要です。お礼は「御塔婆料」といって、お寺によって金額が決まっている場合が多いので、直接尋ねるとよいでしょう。浄土真宗では卒塔婆は用いません。

2. 法要を行う場所を決める

法要場所は、自宅、葬儀会館、菩提寺で行います。

ティアの場合
ティアでは、法要を終えたあとの会食のご手配も行なっています。会館内の会食室を利用しますので移動がスムーズです。ティアの法事・法要のご案内

3. 関係者に連絡し、人数を把握する

1ヵ月程前に案内状を出されると、より丁寧です。

案内状一例
ティアの場合
ティアでは、案内状を作成することもできます。ティアの法事・法要のご案内

4. 参列者へのお礼の引き物(手土産)の用意

お茶やタオルなどの実用品や、故人の好んだ菓子など華美にならないものを選びます。お供え物を皆さんに分け、一緒にお持ち帰りいただく場合もあります。引き物は一世帯に1つ用意します。金額は2千円~4千円程度が一般的です。お供え物を分ける場合は、持ち帰りやすいように手提げ袋を世帯数分用意しておきます。なるべく荷物になるものや、法事の席にふさわしくないものは避けた方が良いでしょう。特に、魚肉類の缶詰などは避けましょう。
持ち運びの面では、カタログギフトなどもお勧めです。カタログギフトは相手が自分で欲しい品を選ぶことができますので、多くの方がご利用されています。

引き物は一般的に、法事の帰りに合わせて用意します。
水引は黒白を用います(地域によっては黄白の場合もあります)。水引が印刷された掛紙を用いても構いません。また、法要の引き物の表書きは、「志」とし、忌明法要であれば「満中陰志」「忌明志」と記します。

ティアの場合
「ティアの会」の会員の方には、会員割引での引き物のご手配を行なっています。「ティアの会」のご案内

5. 宗教者への謝礼(お布施)の用意

「御布施」と表書きをして、半紙に包むか、白封筒に入れ水引は掛けません。また、相手に不幸があったわけではありませんので、不祝儀袋は使用しません。お布施はそのままお渡しするのではなく、菓子折りやお盆に乗せてお渡しすると良いでしょう。
宗教者に自宅や葬儀会館に出向いてもらった場合は、「御車代」を包む場合があります。また、宗教者が会食に参加しなかった場合は、「御膳料」を包むこともあります。
お布施の料金については、あくまでこころざしですので、定まった額はありません。
お寺ごとに考え方がありますので、直接聞くか詳しい親戚の方などに相談すると良いでしょう。もし、菩提寺ではなく、葬儀社から紹介を受けた宗教者であれば、その葬儀社に聞くと教えてくれます。

6. 本位牌や仏壇の用意(忌明法要の場合)

白木のお位牌から本位牌を作り法要のあとに仏壇に納められるので、この日までに本位牌は用意しておくと良いでしょう。浄土真宗では位牌は用意せず、法名軸か過去帳に故人の法名や命日の覚書として記入します。

ティアの場合
「ティアの会」の会員の方には、会員割引での本位牌や位牌のご手配を行なっています。「ティアの会」のご案内

位牌の準備

白木のお位牌(例)、本位牌(例)忌明法要までは、遺骨、遺影写真と一緒に中陰壇にまつりますが、忌明法要までに本位牌に作り替えなくてはなりません。戒名の文字入れに2週間ぐらいかかるので、早めに仏壇店に依頼しておくと良いでしょう。忌明法要を終えたあと、本位牌は仏壇に安置しますので、仏壇のない家は忌明法要までに手配が必要です。
白木のお位牌は、忌明法要のときに菩提寺に納め、新しく作った本位牌にご住職から魂入れをしていただきます。お寺で忌明法要を営むときは、本位牌を持参して魂入れをお願いし、帰宅後、仏壇に安置します。

浄土真宗では位牌は原則として用いません。過去帳や法名軸が位牌の代わりとなりますが、実際には、浄土真宗の家でも「回出くりだし位牌」(繰り出し位牌)がまつられている場合が多いです。

本位牌の大きさと種類

位牌は故人そのものと考えられているので、故人にふさわしいものを選ぶと良いでしょう。本位牌には漆を塗って金箔や金粉などで飾った塗位牌と、黒檀や紫檀などで作られた唐木位牌があります。また、形式には春日型、猫丸型、葵型などさまざまな型があります。位牌の形は宗派に関係がないので、好みの形を選ぶことができます。すでに位牌がある場合は同じ形でそろえることが多いようです。

位牌の大きさは、仏壇の内部の作りにあわせることが大切です。
初めて位牌を作る場合は、位牌が大きすぎて仏壇に入らないということがないように、先に安置する仏壇を決めてから考えたほうが良いでしょう。
位牌の寸法は戒名を記す札板の高さで決まります。上置型仏壇(小型でサイドボードやタンスの上に置ける仏壇)のときは、札丈4寸か4.5寸。台付型仏壇のときは、札丈4.5寸か5寸の位牌を安置する場合が多く見られます。1寸 = 約3.03cm

すでに位牌がある場合は、ご先祖の位牌と同じ大きさか、少し小さい位牌を選ぶのが一般的ですが、その家にとってどの故人を中心に考えるかによって異なってきます。

また、本位牌は故人ひとりとは決まっていません。ひとつの位牌に夫婦ふたりの戒名を連ねて入れることもあります。この場合、一般に夫の戒名を向かって右側に、妻の戒名を左側に入れます。

先祖の位牌が増えて、仏壇に納めることが難しくなったときは、「回出くりだし位牌」(繰り出し位牌)に作りかえることができます。回出位牌(繰り出し位牌)には戒名を入れる板が十枚くらい入るようになっています。また、「○○家先祖代々之霊位」という位牌を作ることもできます。

昔の家長制度のもとでは、先祖の位牌は長男がお守りするというのが慣わしでしたが、個人の気持ちを大切にする現代では、次男でも三男でも両親の位牌を作り、仏壇を用意することもあります。

また、身内にまだ不幸のない家庭でも、自分の全ての先祖に感謝供養する意味で、「○○家先祖代々之霊位」という位牌を作る場合もあります。

仏壇店に相談して、その家にあった位牌にすると良いでしょう。

戒名の入れ方

位牌の表面に、戒名と亡くなった没年月日、裏面に俗名と「行年ぎょうねん」(享年きょうねん)を入れます。俗名とは生前の名前で、行年(享年)とは亡くなったときの年齢です。行年(享年)は、満年齢と数え年のどちらにするか決まり事はありません。亡くなった没年月日を裏面に入れる場合もあります。
戒名の文字は昔の漢字を使うこともあるので、ご住職が書いた白木のお位牌の文字を正確に仏壇店に依頼することが大切です。
戒名入れの手法には、機械彫り文字と手書き文字があります。機械彫りは比較的早く文字を彫ることができますが、手書き文字の場合は、書いたあと乾かす時間が必要なので、注文してから2週間ほどの期間をみておくと良いでしょう。

戒名をつけないときの位牌

戒名をつけないで葬儀をしたときは、後日戒名が決まってから位牌を作ります。そのまま戒名をつけない場合は、「○○○○之霊位」というように生前の名前を位牌に記します。

本位牌の安置

忌明法要のときにご住職に本位牌の魂入れをしてもらい、仏壇に安置します。仏壇の中心は本尊なので、本尊がかくれないように左右か一段低い位置に安置します。向かって右側が上座なので、右側から先祖を古い順に並べていきます。
古くなって傷んだ位牌を新しく作りかえるときは、新しい位牌はご住職に魂を入れ替えてもらい、古い位牌は菩提寺に納めて「お焚き上げ」をしてもらいます。