葬儀の喪主挨拶について【例文付き】
「葬儀・葬式のマナー」
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葬儀の喪主挨拶を紹介!
例文付きでポイントやマナーについても解説
葬儀の場において、喪主が挨拶する場面は幾度かあります。挨拶についての細かなマナーをおさえることで、滞りなく葬儀を執り行えるでしょう。このページでは、葬儀の場における喪主の挨拶やポイントを例文付きで紹介します。ポイントをおさえ、あなたの想いを適切に伝えられるようにしましょう。
【例文集】喪主・喪主側の葬儀における挨拶
通夜・葬儀・告別式 | |
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通夜 | |
告別式 | |
精進落とし | |
宗派別 | |
宗派別 |
葬儀で挨拶を行うタイミングと3つのポイント
通夜の挨拶
- 通夜参列への感謝
- 故人が生前お世話になったお礼
- 告別式の案内
通夜では喪主が遺族の代表として、僧侶や参列者へ向け感謝を伝えます。また通夜振る舞いがある場合は、案内を忘れずに伝えましょう。
お通夜の挨拶例文
本日はご多忙中にもかかわらず、通夜にご弔問頂きまして誠にありがとうございました。
ここに生前賜りました、ご厚情に対し、厚くお礼申し上げます。
尚、明日の葬儀・告別式は(午前・午後)○○時より執り行わせて頂きますので、
何卒、よろしくお願い申し上げます。
告別式
- 参列のお礼
- 生前の厚意への感謝
- 故人の生前エピソード
- 遺族への温かい支援のお願い
告別式の挨拶は基本的に喪主が担当しますが、喪主代理として遺族や故人と近しい方が挨拶することもあります。
また社葬では、葬儀委員長が挨拶をすることもあります。
告別式の挨拶例文
本日は、皆様ご多忙中にもかかわらず、
( )の葬儀にあたりまして多数の心からのご会葬を頂き、誠にありがとうございました。
生前の父は小学校の教諭として働いておりました。
ある時、私が小学校教師にとって一番大切な仕事は何か、と聞いたことがあります。父は「子どもが元気に登校してくるのを迎え、元気に帰っていくのを見送ることだ」と申しました。当時はずいぶん気楽な仕事だなと思ったものですが、父と同じ仕事に就いた今、その言葉の重さが身に沁みます。仕事と子どもに真剣に向き合っていた人でした。定年前には病気との闘いもありましたが、皆様に支えられ職務を全うできましたことを故人に代わり深く感謝申し上げます。
ここに、生前賜りました、ご厚情に対し、厚くお礼申し上げますと共に、今後私ども遺族に、変わりなきご厚情を賜りますようお願いいたします。
簡単ではございますが、これをもちましてお礼の挨拶にかえさせて頂きます。
精進落としの挨拶
精進落とし開会の挨拶例文
本日は、ご多忙のところ、
( )のために、ご参列下さいましてありがとうございました。
ささやかではございますが粗食をご用意いたしましたので、ごゆっくりおくつろぎ下さいますよう、お願いいたします。
精進落とし閉会時の挨拶例文
本日は、( )のためにお付き合い頂き誠にありがとうございました。
皆様に心からのお見送りをいただき、故人も大変喜んでいることと存じます。
故人との思い出話をもっとお聞きしたいところですが、夜も更けて参りましたため、そろそろお開きとさせていただきます。
皆さまどうぞお気をつけてお帰りください。
本日は誠にありがとうございました。
葬儀の挨拶で意識したいポイント
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故人との関係性を明確にする
参列者の中には、故人以外の親族をご存じでない方もいます。喪主が挨拶する時は、自己紹介と一緒に故人との関係性を明確にすることが大切です。
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感謝の意を表す
喪主としての感謝の気持ちだけでなく、故人に代わって参列者の方々など関係者に対する感謝の意をしっかり伝えましょう。
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故人とのエピソードを交える
喪主の挨拶では、故人とのエピソードも交えるとよいでしょう。自分なりの言葉で故人との思い出を伝えることで、故人を偲ぶ気持ちをより伝えやすくなります。
ただ故人を傷つけてしまいそうなエピソードはなるべく避けるようにしましょう。
喪主が挨拶する時のマナー
話す時間
喪主の挨拶は、一般的に1~3分くらいが良いとされています。長くなりすぎず、極端に短くもならない挨拶文を考えましょう。喪主挨拶が長くならないか心配な場合は、葬儀社に相談するのがおすすめです。
忌み言葉や重ね言葉
喪主の挨拶では、忌み言葉や重ね言葉を使っていないかどうか必ず確認しましょう。忌み言葉や重ね言葉は「不幸」や「不幸が重なる」という考えを連想させます。また、忌み言葉は宗教によっても変化します。心配な方は、完成した挨拶文を葬儀社にチェックしてもらいましょう。
使わない方がよい言葉の一覧
NG例 | 言い換え | |
---|---|---|
重ね言葉 | たびたび・しばしば | よく・しげく・いつも |
くれぐれも・重々 | 十分に・よく・どうぞ | |
いよいよ・ますます | さらに・もっと | |
もう一度・再び | いま一度・改めて | |
かえすがえす | 後から振り返りますと | |
再三・何度も | 大変多く・頻繁に | |
忌み言葉 | 追って・続いて | 後ほど・同様に |
消える | 使わない | |
浮かばれない | 使わない | |
大変なことになる | 使わない | |
忙しい | 多用 | |
生きていたころ・生存中 | 生前・元気だったころ | |
急死 | 突然のこと・急逝 |
ゆっくりハッキリ話すこと
大勢の方の前で行う喪主の挨拶は緊張しますので、あいさつ文を読みながらでも構いません。また、ご自身のペースでゆっくりと話すことで落ち着いてきます。
参列者の方々や関係者の方も真摯な気持ちに寄り添い、見守ってくれるでしょう。
立場別の挨拶例文
親族代表で挨拶する場合
「挨拶は当然喪主が行うもの」と考える方も多いため、誤解のないようにしましょう。
親族代表で挨拶する場合の例文
遺族を代表して、私○○がご挨拶を申し上げます。
本日は、皆様ご多忙中にもかかわらず、
( )の葬儀にあたりましてご会葬頂き、誠にありがとうございました。
ここに生前賜りました、ご厚情に対し、厚くお礼申し上げますと共に、今後私ども遺族に、変わりなきご厚誼を賜りますようお願いいたします。
簡単ではございますが、これをもちましてお礼の挨拶にかえさせて頂きます。
葬儀委員長として挨拶する場合
葬儀委員長は一般的に喪主よりも先に挨拶をします。
葬儀委員長として挨拶する場合には、故人の経歴や実績を紹介し、加えて参列者に「ご遺族への変わらぬご厚情」などをお願いする旨を話すとよいでしょう。
葬儀委員長として挨拶する場合の例文
遺族を代表して、私○○がご挨拶を申し上げます。
本日はご多忙の中、□□株式会社代表取締役・ ( )の告別式へのご会葬を賜わり厚くお礼申し上げます。
葬儀委員を代表し、私○○が皆さまにひと言ご挨拶を申し上げます。
皆様もご存じのところではございますが、○○は創業以来◇◇年にわたり□□株式会社の発展に尽力して参りました。
その○○が、かねてより入院中でございましたが、■月■日■時■分にご家族に看取られ安らかに永眠いたしました。
私ども□□株式会社社員一同、 ( )の遺志を継承し、さらなる努力で弊社の発展に努める覚悟でございます。皆様どうぞ今までと変わらぬご厚情をよろしくお願いいたします。
最後になりますが、ご遺族・ご親族に対しまして、これまで故人に賜りましたものと同様のご厚誼をお願い申し上げる次第でございます。
本日は、誠にありがとうございました。
宗教別に見る挨拶例文
宗教が違えば、挨拶の作法も異なります。挨拶をする際に、特に気を付けたいポイントと例文をご紹介します。
キリスト教の葬儀の挨拶
キリスト教式の葬儀では、「お悔やみの言葉」を述べることはないので注意しましょう。
仏教とは「死生観」が大きく異なっており、キリスト教では「死」を不幸とは捉えません。挨拶では、「故人が神の国へ向かうことができた」という旨の言葉を添えられるとよいでしょう。
キリスト教の挨拶例文
本日はお忙しいところ、 ( )のためお集まり頂き、誠にありがとうございました。
〇月〇日、主の御許(みもと)に召され今は心の平安を得たものと存じます。
生前、皆様をはじめ、多くの方々のご厚情に厚くお礼申し上げます。また本日、皆様の心からのお祈りをいただいたこと、 ( )に代わって感謝申し上げます。
お忙しい中、参列頂いた皆様にも、主の平安と慰めがあらんことをお祈りいたします。
本日は誠にありがとうございました。
神式葬儀の挨拶
注意点を一つ上げるとすれば、「仏教用語を使用しないようにする」ことです。例えば「ご冥福」や「供養」「弔う」といった表現は仏教の教えに由来する言葉のため使用しません。神式葬儀ではこの点を注意し挨拶を考えましょう。
神式の挨拶例文
本日は皆様ご多忙中にもかかわらず、 ( )の葬儀にご参列いただき誠にありがとうございました。
故人もさぞかし喜んでいることと存じます。
皆様方のご厚志をあつく感謝いたしますと共に、今後も我々遺族への故人同様のご指導、ご鞭撻をお願いいたします。
簡単ではございますが、これを持ちましてお礼の挨拶にかえさせて頂きます。
葬儀の喪主挨拶は事前に入念な確認をしましょう
喪主が葬儀で挨拶をする際の文面は、故人への思いをつづるとともに、参列者・関係者に対する感謝の気持ちを表すことが重要です。今回紹介した例文を参考にしながら、ご自身の言葉で故人への想いや参列いただいた方々への感謝の気持ちを伝えましょう。また挨拶文では忌み言葉や重ね言葉がないかどうかにも注意してください。
どうしても挨拶文がまとまらない場合や、忌み言葉や重ね言葉が含まれていないか不安な方は、お気軽にティアへご相談ください。24時間365日、どんな些細なことでも一緒に解決し、悔いのない葬儀のお手伝いをします。