危篤

葬儀の流れ「喪主・ご遺族の方」

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危篤とは?
告げられたときに必要なことや連絡について詳しく解説

危篤という言葉は聞いたことがあっても、いざ大切な方の危篤が告げられた時、どのように対処すべきかを把握できている方は少ないのではないでしょうか。危篤を告げられた際に必要なことや連絡について平常時にあらかじめ把握すれば、危篤連絡をするときだけでなく、受けたときもある程度の心構えができます。そこで今回は、危篤と言われた場合に必要なことや連絡などについてわかりやすく解説します。

1. 危篤とは?どんな状態?

危篤は「きとく」と読み、病気や事故などにより人の命が危険な状態であることを医師が判断する際に使われる用語です。危篤の状態に陥った人は一般的に意識もない状態であるだけでなく、回復の見込みもほぼない状態であると言われています。しかし、危篤と診断された人の中には2~3日程度生存するケースや、危篤を告げられた後に容体が持ち直すケースもあるようです。そのため、「危篤=死亡」とは一概に言えないだけでなく、危篤から死亡については医師でも正確な判断ができない状況であると言えるでしょう。

2. 危篤連絡を受けたときの対応について

ここでは、危篤を告げられた時に必要なことについてご紹介します。大切な方の危篤の報に触れると、どうしてもパニックになってしまいがちですが、最低限、以下の項目を慌てずに行わなければなりません。

大切な方の危篤状況を受け入れ、側にいる覚悟を持たなければならないだけでなく、関係者への連絡もおこないますので、まずは深呼吸して気持ちの高ぶりやパニックを少しでも落ち着かせることが大切です。

病院へ向かう準備

医師から危篤の連絡が入ったら、迅速に入院先の病院に行き、辛いかもしれませんが覚悟を持って寄り添いましょう。
場合によっては、病院や病院の近くへの泊まり込みが必要な可能性がありますので、着替えや宿泊の準備なども用意することをおすすめします。

また、連絡に必要な電話帳や携帯電話(スマートフォン)の充電器やケーブルも忘れずに持参しましょう。

身近な方々への連絡

危篤の連絡を受けて病院を訪ねたら、危篤者の身近な方々へ少しでも早く電話で連絡を入れましょう。危篤の連絡で優先すべきは「最期に立ち会っていただきたい、危篤者から見て三親等の方」です。「三親等までの親族」の中には、血の繋がった親族だけではなく結婚に よって親族になった相手も含まれます。

また、危篤の連絡は基本的に三親等までとされていますが、危篤になった方の親しい友人や知人など危篤者が会いたいと想定できる方に連絡しても差し支えありません。危篤者が現職に就いているなど、危篤連絡を病院から受け取った方が必要と判断した場合には、危篤者の勤務先に対しての連絡も必要です。

自身の職場への連絡

危篤連絡を受けた時は、自分の職場への連絡も必要です。もし会社を休まなければいけない場合、代わりの人を立てるなど会社側にも準備しなければいけないことがあるためです。
危篤に関する連絡は電話で行うのが基本です。連絡がつかない場合などに限り、メールなどで連絡するようにしましょう。

危篤を理由に休む場合は有給を使用する

家族の危篤を理由に休む場合は、基本的に有給を使います。会社にもよりますが、一般的に「忌引き休暇」や「慶弔休暇」を使えることは少ないので、注意しましょう

3. 危篤連絡のやり方について

危篤の連絡は一刻を争うため、例え夜中であっても構いません。携帯電話など、最も繋がりやすい連絡先に一報を入れましょう。
また連絡をした際には、下記3点を簡潔に伝えます。

  • 自分の名前
  • 危篤を迎えている方と、その状態
  • どこに、いつ頃までに来てほしい

連絡を入れるべき人数が多いときは手分けをするなどの工夫をし、連絡漏れのないように気をつけましょう。
また危篤者がエンディングノートなどに連絡してほしい方をまとめている場合は、危篤者の想いを尊重しましょう。

事前準備
近親者への連絡については、連絡漏れを防ぐために「連絡リスト」を事前に作成しておくことをおすすめいたします。

夜間や昼間などの連絡について

危篤に関する連絡は一刻を争うことから、迅速な行動が大切です。そのため夜中や早朝などであってもすぐに伝えるようにしましょう。早朝や夜中の場合は、電話の冒頭で「夜分遅くに/早朝に申し訳ございません」など、ひと言付け加えると電話を受け取った側に対しても失礼にあたりません。

もし、相手が電話に出ない場合はメールやショートメール・LINEなどSNSの個別メッセージで簡単に状況を連絡し、時間を空けてから再度電話します。
また、折り返しの連絡をしやすいよう、メッセージで送る場合は、末尾に連絡者の電話番号を記載するのがポイントです。連絡を入れるべき人数が多いときは、その場にいる方たちで手分けして連絡するなどの工夫をして、連絡漏れのないように対処しましょう。

4. 危篤連絡を受けた後に知っておきたいことや心構え

危篤連絡を受けた後は、大切な方との時間を過ごします。その中で少しでも穏やかな気持ちでいられるように、知っておきたい覚悟や心構えを3つご説明いたします。

声はずっと届く

聴覚は五感の中でも最後まで残る感覚といわれています。
危篤者へ声をかけて反応が薄いと、自分の声が伝わっているか不安になることもあるかもしれません。しかしあなたの声はしっかりと届いています。そばに寄り添い、どんな時でも伝えたい想いをしっかり言葉にしましょう。

しっかりと休息をとる

危篤者に寄り添う家族の多くは、かなりの無理をしてつきっきりで寄り添ってしまいます。そのため中には無理をし過ぎて体調を崩してしまう方もいらっしゃいます。大切な方も、あなたが無理をして体調を崩されることなど望んでいないはずです。家族と相談し「交代制で見守る」など、少しでも休息を取れる工夫をすることも大切です。

無力感を抱いてしまわないようにする

危篤者を見守る中で、責任感や思いやりの強い方の中には、「無力である」と自分を責めてしまう方もいらっしゃいます。大切な方のそばにいるからこそ、このような感情は沸き起こってしまうものです

このような無力感は、多くの方がさいなまれるものだとまず認識しておきましょう。そして、もしこの無力感に襲われても、あまり自分を責めるようなことはどうかしないでください。

5. 危篤連絡にも慌てずに。大切な方のそばに寄り添いましょう

危篤は人の命が危険な状態であることを医師が判断する際の言葉です。特に危篤者の状況に際した場合には、まずは深呼吸して落ち着きを取り戻したうえで、慌てず関係者へ連絡しましょう。
三親等までの親族に危篤の連絡を行うのが一般的ですが、血縁関係にこだわらず危篤者が「最期に誰に会いたいか」ということを考えたうえで、柔軟に判断することをおすすめします。