葬儀とは

「葬儀・葬式のマナー・基礎知識」

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葬儀とは
意味や役割、種類について詳しく解説

「葬儀」とは人を葬るための一連の儀式を指します。ここでは葬儀の意味と役割、「通夜」と「告別式」それぞれの成り立ちや流れ、葬儀の種類について解説します。葬儀は何のために行うのか、意味があるのか、万が一に備えて確認しておきましょう。

1. 葬儀とは

葬儀は「葬送儀礼」の略語で「亡くなった人を葬るための儀式」のことであり「葬式」と同義語です。原始の時代にも弔いの儀式が行なわれていた痕跡があることから、葬儀は亡くなった人に対するごく自然な行為ともいえるでしょう。現代では、故人やご遺族の宗教・宗派、地域、または思想によって儀式の様式や作法に違いがあります。ちなみに、「葬」は草むらに、人が横たわる様子の「一」、肉が剥がれた骨を指す「歹」、人を現わす「ヒ」、草が生えている様子の「艸」から成り立っています。遺体を土に埋める、墓所に納めるという意味です。

葬儀の役割

葬儀には、おもに4つの役割があります。

葬儀の役割
物理的な役割 遺体は、時間の経過とともに腐敗していくため埋葬が必要です。死者の尊厳を守り、人々に恐怖心を与えない役割があります。
教育的な役割 葬儀では、死を悼み悲しむ人の姿を間近に見ることができます。子どもや若者が葬儀に参加することにより、命の大切さやはかなさを認識する機会を得られます。
宗教的な役割 葬儀は故人やご遺族が信仰する宗教の様式に則り行われます。信仰する宗教の儀式や様式で葬儀を行うことは、精神的な安らぎや孤独感の緩和などの効果があります。
社会的な役割 葬儀には、人の死を葬儀をもって周囲に知らしめる効果や、継承者を承認するというような社会的な役割があります。

2. 通夜、告別式はどんな違いがある?

葬儀と通夜の違い
通夜 遺族や親族が故人を悼み、冥福を祈る儀式
告別式 葬儀に立ち会った参列者が、故人に別れを告げるための儀式

ここでは、通夜と告別式の違いについて解説します。

通夜

通夜は、葬儀の前夜に行われる儀式です。釈迦が入滅したとき、弟子たちが七日間、遺体を見守りながら釈迦の教えをお互いに聞き合ったのが通夜の起源とされています。実際には、医学が未熟だったころ、亡くなったはずの人が息を吹き返すことがまれにありました。そのため、一日以上遺体を安置して誰かしら付き添い、灯を絶やさないようにしていたのです。

一般的な通夜の流れ
弔問客受付 → 一同着席・宗教者入場・開式 → 読経・焼香 → 宗教者退場 → 喪主挨拶 → 通夜終了 → 通夜振る舞い

告別式

一般的な告別式の流れ
葬儀 → 読経・焼香 → 宗教者退場 → 告別式(お別れ)

現在の葬儀は「葬儀・告別式」と一緒に表示されることがほとんどで、参列者が故人に別れを告げるために行われる儀式です。実際に、告別式が独立して行われることはあまりありません。葬儀と違い儀式的な意味合いが薄く、むしろ「社会的なお別れの場」の意味合いが強いのが特徴です。じつは、告別式の歴史はそれほど古くありません。明治時代の実業家、中江兆民が無宗教の葬儀として「告別式」を打ち出し、自らの葬儀も「告別式」の形で執り行われました。

3. 葬儀の種類について

葬儀の種類

昔ながらの葬儀は「一般葬」と呼ばれるようになりました。というのも、近年ご遺族のニーズに答えるため葬儀社がさまざまな葬儀の形を提案してきたからです。少人数の「家族葬」、一日だけの「一日葬」、儀式的な要素を一切省いた「火葬式」などいまでは葬儀の形も多様化しています。とはいえ、新しい葬儀の形は、前の章で解説した「通夜」「葬式」「告別式」「火葬」の組み合わせの違いです。どの式を行い、どの式を省略するかの違いであり、それぞれ所要時間や費用、式の流れが異なります。

一般葬

通夜 → 葬儀 → 告別式 → 火葬

昔からある、もっとも認知されている葬儀の形式のため、参列者が戸惑うことは少ないといえるでしょう。故人とゆかりのあった人々が多く集まるので、故人の在りし日の様子について、参列者を通して知ることができます。また、ほとんどの知人が参列するため、弔問に訪れる人は少なくなり、葬儀後の負担は少なくなります。しかし、式当日まで参列者の人数が掴みにくく、想定を超える可能性があります。参列者の人数が増えるほど、喪主やご遺族の労力が増え、慌ただしい式になることも少なくありません。

家族葬

通夜 → 葬儀 → 告別式 → 火葬

ご家族・ご親族、親しい友人だけで執り行う小規模な葬儀の形式です。少人数で和やかな雰囲気の中ゆっくりとお別れができるメリットがあります。さらに、喪主とご遺族が参列者を決めるので、参列者は少人数で費用がおさえられる点もメリットといえるでしょう。一方、葬儀に呼ばなかった人への心遣いが必要であり、後日弔問に訪れる人が多くなるとご遺族の負担が増える可能性も考えられます。香典の金額が少なくなることで、ご遺族の費用負担が増える傾向があります。

一日葬

葬儀 → 告別式 → 火葬

通常2日かけて執り行う葬儀を、一日で終わらせる形式です。参列者を限定しないので、その分香典が増えて葬儀の費用負担は減ります。また、一日で葬儀全体を終えることから、ご遺族や参列者の時間や体力の負担は少なくなります。反面、故人を見送るための時間が少なく、慌ただしさや物足りなさを感じることも少なくありません。葬儀当日に参列できない人が増える可能性があるため、その人たちにもご理解を得ておく必要があります。

火葬式・直葬

通夜・葬儀・告別式を執り行わず火葬のみで葬儀を済ませる形式です。近親者だけで執り行うことが多く、返礼品や会食の費用をおさえる効果が期待できます。宗教的な儀式を省くため、菩提寺のご理解を得られず、納骨の際のトラブルに発展する可能性がある点に注意が必要です。また、周囲に訃報を知らせないケースでは、葬儀に参列できなかった人へのフォローも必要でしょう。そのため、直葬では、火葬場で「炉前法要」を営むか、後日「お別れの会」を開くことも少なくありません。

自由葬

自由葬は、宗教的な形式にとらわれない告別式のみの葬儀です。「無宗教でも葬儀に必要性を感じる」「何らかの儀式によって心に区切りを付けたい」という思いから行われることが多いようです。「お別れの会」もそのひとつで、企画により演出や費用はさまざまで、ごく内輪の葬儀のあとに行われることもあります。葬儀というよりはパーティーに近い感覚で、ホテルなど一般の会場を利用するケースがほとんどです。自由葬で葬儀を終えてしまうと、周囲の人々や菩提寺からご理解を得にくくなるため事前の説明が必要です。

4. 葬儀は故人を見送る想いを大切にしましょう

葬儀は亡くなった人を葬るための儀式であり、様々な役割があります。大切な人を失い、葬儀の直前になって慌てないように、事前準備や流れを知っておくことはとても大切です。

ティアでは、葬儀に関する相談はもちろん、葬儀後に必要な手配や手続きをお引き受けするサービスも行っております。少しでもご遺族の負担が和らぐよう、丁寧にサポートいたします。

ティアでは創業から日々お客様目線に立った「心のサービス」の提供を心がけています。葬儀専門会社としてのノウハウがあるからこそ、ご希望への柔軟な対応が可能です。葬儀をご検討の際はぜひ、ティアにご相談ください。