葬儀における数珠について【持ち方や使い方など】 「葬儀・葬式のマナー・基礎知識」 葬儀のことならティア 葬儀・葬式の知識 葬儀・葬式のマナー・基礎知識 葬儀における数珠について【持ち方や使い方など】 公開日:2021年7月30日 更新日:2024年2月9日 葬儀における数珠の意味について いまさら聞けない持ち方や使い方、色についても解説 仏式葬儀の必需品でもある数珠ですが、宗派によっても使用するものは異なります。このページではどのような数珠を選んだらいいのかわからないという方に向けて、数珠に関する基礎知識をご紹介します。数珠は家族間でも共有できないため、一人ひとりに合った数珠を選ぶことが大切です。種類や使い方をはじめ、数珠の選び方やマナーについて確認しておきましょう。 数珠とは 数珠は通夜・葬儀・告別式の焼香の際に使う、複数の小さな球に糸を通した仏具です。仏具の中でも最も身近な数珠は、念珠(ねんじゅ)とも呼ばれます。宗派によって数珠のデザインなどは異なるものの、自身の宗派と違う葬式に参列する場合も自分の宗派の物を使えます。 数珠の持つ意味 数珠は本来、お経を唱えた回数を数えるための仏具として使われており、数珠が必要だったのは主に僧侶側でした。そのため厳密にいうとお経を唱えない一般の参列者にとって数珠は本来必要ないものといってもよいでしょう。 しかし現代では魔除け厄除けなどの意味合いや、仏様へ失礼のないようにする意味合いが強まり、参列者も数珠を持つようになりました。 数珠には基本的に、人間の煩悩の数と同じ数の108個の玉があしらわれていますが、最近では持ちやすさを重視し、玉数を減らしたものも多く使われています。 数珠の種類 本式数珠 略式数珠 数珠は大きく上記の2種類があります。本式数珠は、宗派ごとに決まっている正式な数珠のことです。一方の略式数珠は玉の色や素材・玉数に決まったルールはありません。 略式数珠を持っていれば宗派問わず使えるため、1つ手元にあると役立つでしょう。 数珠の使い方・持ち方について 数珠の使い方や持ち方のマナー 葬儀中は常に左手で数珠を持つ 移動する際は左手で数珠を持ったまま、房部分を下に向ける 焼香時にカバンから取り出すのはNG 数珠の使い方は、厳密にいえば宗派によって異なりますが、今回はどの宗派でも使える略式数珠を使用した場合を紹介します。 数珠の使い方や持ち方は、男女ともに同じです。葬式の間は、常に数珠を手元に用意しておきましょう。また焼香などで席を移動する際は、数珠の房を下に向けて持ち歩きます。 仏教の世界では、左手が仏の世界を表すと言われているため、基本的に左手首に掛けて持つようにします。焼香の際に、数珠をかばんから取り出す方もいますが、数珠を扱う上ではマナー違反とされているため気をつけましょう。 数珠の使い方(略式数珠の場合) 左手のみの場合 両手の場合 略式数珠を使って仏前で手を合わせる際は、左手のみに数珠の輪を通す使い方と合掌した両手に輪をかけて通す使い方があります。いずれも略式数珠をかける場所は親指と人差し指の間です。 宗旨宗派別にみる数珠の持ち方 日蓮宗 二輪にした数珠を両手の中指にかけて、挟みます。房が三つある方を左、房が二つの方を右中指にかけます。 浄土宗 合掌の際には、二輪を揃えて両方の親指にかけます。房は手前に垂らします。 真言宗 両手の中指にかけてそのまま手を合わせます。自分のための行を行う場合は房を手の内側に入れて挟みます。 臨済宗 二輪にした数珠を左手にかけ、房を垂らして握ります。 曹洞宗 数珠を二輪にし、左手にかけます。房は垂らして握るようにしましょう。曹洞宗では金環がついている数珠が使用されます。 天台宗 人差し指と中指の間に数珠をかけ、そのまま手を合わせます。その際に房は下に垂らすようにしましょう。 浄土真宗本願寺派 数珠を二輪にして、合掌した手にかけます。その際に房は下に垂らすようにします。 真宗大谷派 数珠を二輪にして、合掌した手に合わせます。その際に親指と人差し指で数珠を挟み、房を左手側に垂らします。 真宗高田派 両手を二輪にした数珠に通し、一輪の房は左に垂らします。二輪は弟子玉のついた房を左にし、弟子玉のないものは右へ振り分けます。 数珠の選び方 珠の大きさ 男性専用の数珠 10mm以上 女性専用の数珠 8mm以上 数珠には男女兼用がないため、男性と女性は性別ごとに数珠を用意しなければなりません。男女で使う数珠は玉の大きさが異なります。男性専用の数珠は10mm以上、女性専用の数珠は8mm以下の玉が使用されているため、覚えておくと便利です。 男性用も女性用も、上記サイズ内で数珠の玉の大きさが異なる場合が多くあるため、自分の手になじむ好みの数珠を選べます。数珠を購入する際は、一度手に取るのがおすすめです。 数珠の色 数珠の色や素材について 水晶(透明) サンゴ(朱色) 真珠(白) タイガーアイ(黒・茶色・黄色の組み合わせ) アメジスト(薄紫・紫) アクアマリン(薄い水色) 木製素材 など 数珠で使用してはいけない色は基本的にありません。好きな色を選びましょう。現代では、明るいものから暗いものまで様々な色が用意されています。素材によって数珠の色合いも異なるため、長く愛用できる好みの色を見つけてみましょう。 ただし地方によっては数珠の使い分けや細やかなルールが存在するため注意しましょう。不安な方は葬儀社を通して事前に数珠に関するルールを確認すると良いでしょう。 数珠についての基本的なマナー 数珠は仏教にとっては大切な仏具のひとつです。使い方を知らないと、気が付かないうちにマナー違反になることもあるかもしれません。葬儀で恥をかかないためにも、数珠に関するマナーを把握し、穏やかに故人を見送りましょう。 貸し借りはしない 数珠の貸し借りや家族での共有は、できる限り避けます。数珠は個人を守るお守りの役割もあるためです。 葬儀用のものを使う 数珠にはパワーストーンがあしらわれているものもありますが、アクセサリー用途のあるブレスレットは数珠として代用してはいけません。 日常生活をほうふつとさせるブレスレットは、葬式の場では控えましょう。万が一に備えてしっかりと葬式用の数珠を用意しましょう。 数珠がない場合はどうすればよい? 訃報は突然舞い込んでくるものです。数珠を買う時間もないまま当日を迎えることもあるでしょうし、慌てて当日忘れてしまったということもあるでしょう。 数珠がないからといって他の方から借りるのは避けたいところですが、数珠を忘れたからといって失礼にはあたりません。故人との最後の時間を大切にするために気持ちを切り替えることも時には重要です。 数珠は仏式葬儀で大切な仏具の一つです。マナーを守って使用しましょう 葬儀では、基本的に数珠を持参しましょう。数珠は仏具店やインターネット通販などでも購入できます。自分の性別や気に入った色や素材の数珠を購入しましょう。略式数珠を持っていれば、ほとんどの葬儀で困ることはありません。 本式数珠になると、持ち方や使い方は宗派によって様々です。数珠の持ち方やマナーに不安がある方は、遠慮なくティアへご相談ください。専門スタッフがあなたの葬儀に関する相談はもちろん、数珠の細かなマナーについてもサポートします。 葬儀に関するお問い合わせ・相談はこちら 監修:ティアアカデミー セレモニーディレクターを育成する組織として、入社する社員の教育や入社後の研修を実施。葬祭ディレクター技能審査(厚生労働省認定) 1級葬祭ディレクターの資格を持つ講師も在籍。独自の資格制度である「ティア検定」を創設し、毎年数百名の葬祭ディレクターの審査を実施している。 ティアアカデミーについて